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HubSpot(ハブスポット)とは?基本的な使い方や特徴を解説
HubSpot
HubSpotはマーケティング、営業活動、カスタマーサービスを統合的に管理できるプラットフォームです。近年、デジタルマーケティングの必須ツールとして注目を集め、多くの企業に導入されています。
特に、インバウンドマーケティングを実践する企業にとって、顧客管理からコンテンツ作成、リード獲得、そして営業活動まで、一気通貫で管理できる強力なツールとして支持を得ています。
本記事では、HubSpotの基本的な機能や特徴について解説します。マーケティング効率の向上や売上アップを目指す方、また、既存の顧客管理システムの見直しを検討している方に、きっと参考になる情報をお届けします。
HubSpotとは何か?
HubSpotは、顧客との関係づくりから売上拡大までをサポートする「統合型ビジネスプラットフォーム」です。マーケティング活動、営業活動、顧客サポートに関する情報を一元管理できる特徴があります。
世界135か国以上で利用されており、中小企業からグローバル企業まで23万8,000社を超える企業が導入しているビジネスツールです。以下のような機能を提供しています。
- 見込み客の発掘と育成
- 商談管理と売上予測
- カスタマーサポートの効率化
- 部門間の情報共有
- 顧客データの分析と活用
例えば、ウェブサイトに訪れた人の行動履歴を自動で記録し、その人に合わせたメールを送信することが可能です。また、営業担当者は顧客とのやり取りをHubSpot上で簡単に記録・確認でき、適切なタイミングでフォローアップができます。
顧客対応の質を向上させながら、営業やマーケティングの業務効率を大幅に改善したい企業に特におすすめのツールと言えます。
HubSpotと他ツールの違いは?
HubSpotは、従来のCRMやマーケティングツールとは異なり、マーケティング、営業、カスタマーサポートの全機能を一つのプラットフォームに統合した画期的なツールです。
顧客管理(CRM)だけでなく、コンテンツ管理やソーシャルメディア管理・分析など、各種ツールが一つに統合されているため、作業効率の改善が期待できます。
HubSpotの特徴は以下の3点です。
- 直感的な操作性
- 自動化機能の充実
- データ分析の容易さ
また、無料プランから始められる点も重要です。企業の成長に合わせて機能を追加できるため、初期投資を抑えながらマーケティング活動を本格的に始められます。
HubSpotは日本語対応が充実しており、国内企業でも導入しやすい環境が整っています。カスタマーサポートも日本語で利用可能なため、安心して運用を始められるでしょう。
直感的な操作性
HubSpotは、マーケティングの専門知識がない方でも簡単に使いこなせるよう設計されています。日本語のインターフェースで、直感的に操作できる特徴があります。
機能 | 特徴 |
メールマガジン作成 | テンプレートから選んで文章や画像を入れ替えるだけで、プロフェッショナルなデザインのメールが作成できます。 |
LP作成 | 100種類以上のテンプレートが用意されており、文章や画像をドラッグ&ドロップで配置するだけでページが完成します。 |
フォーム設置 | 問い合わせフォームやアンケートフォームも、必要な項目を選んで配置するだけで簡単に作成可能です。 |
レポート作成 | あらかじめ用意された分析レポートから選ぶだけで、グラフや表を自動生成します。 |
主要な機能には、操作手順を解説する動画マニュアルが用意されています。分からない操作があっても、動画を見ながら学習できるため、ITスキルに自信がない方でも安心して利用を開始できます。
さらに、HubSpotアカデミーという無料の学習プラットフォームでは、基本的な操作方法から応用テクニックまで、体系的に学ぶことが可能です。
自動化機能の充実
HubSpotの自動化機能は、マーケティングと営業活動における定型業務の効率化を実現します。手作業で行っていた作業を自動化することで、担当者は戦略立案や重要な商談に時間を使えるようになります。
機能 | 特徴 |
メール自動配信 | フォーム送信後の自動返信展示会やウェビナー参加後のフォローメール資料ダウンロード者への段階的な情報提供 |
SNSマーケティング | 投稿の一括予約配信反応やコメントの自動監視エンゲージメント分析レポートの自動生成 |
リード管理 | 見込み客の行動履歴の自動記録スコアリングによる優先順位付け営業担当者への自動通知 |
さらに、ワークフロー機能を使えば、「ウェブサイトの特定ページを見た人に3日後にメールを送る」「資料請求した人を営業担当者のタスクリストに追加する」といった複雑な条件設定も可能です。[1]
データ分析の容易さ
HubSpotは、複雑なデータ分析を誰でも簡単に行えるように設計されています。マーケティング活動や営業活動の成果を、ビジュアル的に分かりやすくグラフ化して表示します。
分析できる主なデータは以下の通りです。
分析機能 | 特徴 |
マーケティング分析 | ウェブサイトへの訪問者数と滞在時間メールマガジンの開封率とクリック率SNS投稿の反応率と到達数資料ダウンロード数と問い合わせ数 |
営業活動分析 | 商談の進捗状況と成約率営業担当者別の活動実績見込み客の獲得経路と転換率売上予測と実績の比較 |
また、ダッシュボード機能を使えば、経営者や管理職が知りたい情報を1画面にまとめて表示できます。例えば、月間の問い合わせ数推移、主要施策の反応率、商談の状況などを一目で確認可能です。
レポート作成も自動化されており、毎週・毎月の定例会議用の資料も数クリックで出力できます。データのエクセル出力にも対応しているため、詳細な分析や加工もおこなえます。
HubSpotの注目すべき機能
HubSpotは統合型プラットフォームとして、ビジネスの成長に必要な多様な機能を提供します。各機能は単独でも効果的ですが、連携することでより大きな価値を生み出します。
HubSpotの名前にもある「ハブ」とは、特定の業務領域に特化した機能群を集約したソフトウェアパッケージを指します。各ハブは独立して利用できますが、連携することでより効果的なビジネス運営が可能です。
主なハブには、次のものがあります。
ハブ名 | 特徴 | 内容 |
Marketing Hub (マーケティング ハブ) | マーケティング活動を総合的に支援する | ブログ記事やSNSの投稿管理メールマーケティングの実施ランディングページの作成リード獲得とリード育成の自動化マーケティング活動の効果測定 |
Sales Hub (セールス ハブ) | 営業活動を効率化する | 商談管理とパイプライン分析メール配信と開封率の追跡営業活動の自動化顧客情報の一元管理商談進捗の可視化 |
Service Hub (サービス ハブ) | カスタマーサポートを強化する | チケット管理システムヘルプデスク機能カスタマーフィードバックの収集ナレッジベースの作成顧客満足度の測定 |
Operations Hub (オペレーション ハブ) | 業務効率化を実現する | データ同期の自動化システム間連携の管理データクレンジング機能カスタムワークフローの作成レポート作成の効率化 |
CMS Hub (コンテンツ管理ハブ) | ウェブサイト運営を支援する | データ同期の自動化システム間連携の管理データクレンジング機能カスタムワークフローの作成レポート作成の効率化 |
インバウンドマーケティングへの焦点
HubSpotは、インバウンドマーケティングを軸とした統合型マーケティングプラットフォームです。
インバウンドマーケティングとは、消費者や見込み客との間に有意義で長続きする関係を作り上げることで、組織成長を目指す考え方です。無理に注意を引こうとする従来の広告手法とは異なるアプローチ方法が特徴です。
以下の3つの段階で、見込み客との間に持続的な関係性を実現します。[2]
段階 | 特徴 |
Attract(惹きつける) | 価値の高いコンテンツを通じた見込み客の獲得SEO対策による自然な集客信頼できるアドバイザーとしての地位確立オンライン上での効果的な認知度向上 |
Engage(信頼関係を築く) | 顧客の課題やニーズに応じたソリューションの提案段階的な情報提供による成約率の向上双方向コミュニケーションの促進顧客目線に立った価値提供 |
Delight(満足してもらう) | 製品・サービスを活用した顧客満足度の向上継続的なサポートと価値提供顧客の成功体験の最大化長期的な関係構築の実現 |
インバウンドマーケティングにおいて、HubSpotがなくても効果的な運用は可能です。しかし、顧客の行動履歴を包括的に把握するのは困難だったり、営業部門とマーケティング部門の情報共有が疎かになったりと、多くの課題が生じます。
インバウンドマーケティングを軸としつつ、営業からマーケティングまで統合されたプラットフォームを利用することで、作業効率の向上が期待できます。
HubSpotを導入すべきか?
HubSpotは、営業担当者の業務効率化を実現するだけでなく、顧客対応の質を向上させる意味でもビジネスには欠かせないツールです。
HubSpot社がおこなった調査によると、営業担当者が顧客とのやりとりに使っている時間は、業務時間の54%を占めていることがわかりました。理想として「1日にあと25分、顧客と接する時間を増やしたい」と考えている担当者も多いようです。
HubSpotを導入することで得られる具体的な効果は以下の通りです。
- 報告業務の自動化
- 顧客対応の質向上
- チーム連携の効率化
社内報告書や商談記録の作成にかかる時間を削減でき、顧客対応に充てる時間を確保できるようになります。
さらに、顧客とのやり取りや商談履歴が自動記録され、適切なタイミングでフォローアップも可能に。顧客情報の一元管理により、チーム内での情報共有がスムーズになり、マネジメント業務の時間を削減できます。
HubSpotを最大限に活用する方法
複数のビジネスツールと連携させたり、分析・レポート機能を活用したりすることで、HubSpotの機能を最大限に発揮させることができます。マーケティングから営業活動まで、ビジネス全体の生産性を向上させることも可能です。
複数のビジネスツールと連携させる
複数のツールを統合することで、業務効率を大幅に向上させることができます。HubSpotに連携させるビジネスツールには次のものがあります。
- Salesforce
- Slack
- Google Workspace
営業部門やマーケティング部門、カスタマーサービス部門の情報を一つにまとめることで、部門間の情報共有がスムーズになり、顧客対応の質も向上します。
分析およびレポート機能
HubSpotの分析・レポート機能は、経営判断に必要なデータを見やすく可視化し、マーケティング活動の効果測定を容易にします。カスタマイズ可能なダッシュボードにより、各部門が必要とする指標をリアルタイムで確認できます。
機能 | 特徴 |
マーケティング効果測定 | 広告キャンペーンの投資対効果(ROI)リード獲得経路の特定コンテンツ別の反応率分析SNS施策の効果測定 |
営業活動の可視化 | 商談進捗状況のトラッキング営業担当者別の成約率見込み客の質の評価売上予測の精度向上 |
カスタムレポート作成 | 経営会議用の実績レポート部門別のKPI達成状況顧客行動分析レポート予算計画の根拠資料 |
経営判断に必要なデータを見やすく可視化し、マーケティング活動の効果測定を容易にします。経験や勘ではなく、データに基づいて戦略立案や意思決定をおこなう「データドリブン経営」が実現可能です。
また、カスタマイズ可能なダッシュボードにより、各部門が必要とする指標をリアルタイムで確認できます。
まとめ
HubSpotは、マーケティング、営業、カスタマーサービスを統合的に管理できるプラットフォームです。インバウンドマーケティングの理念に基づき、新規顧客の獲得から長期的な関係構築まで、一貫した顧客体験を提供します。
各部門の情報を一元管理することで、運営業務が効率化するだけでなく、データに基づいた戦略的な意思決定も可能になります。
競争が激化するBtoB市場において、HubSpotの統合機能を活用することで、持続的な事業成長と顧客満足度の向上を達成できるでしょう。
当社はBtoBマーケティングの専門家として、数多くのHubSpot導入支援実績があります。HubSpotの活用方法や導入に関するご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。貴社のビジネス成長をサポートいたします。