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BtoBにおけるリード獲得について、効果的な手法を解説
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「見込み客の獲得単価が上がってしまっている」
「商談や受注につながる有効なリード獲得できていない」
「営業部門から質の低いリードだと言われてしまう」
BtoBビジネスの現場では、リード獲得に関する悩みが絶えませんよね。リード獲得の基本を押さえ、効果的な施策を選べば、成果は必ず上がります。
本記事では、見込み客の集め方から、営業部門との連携方法、成果の測り方まで、実践的な内容をお伝えします。リード獲得の課題を一緒に解決していきましょう。
BtoBマーケティングにおけるリード獲得とは?
自社の製品やサービスに関心を持つ企業や、担当者の情報を集める活動を指します。具体的には、見込み顧客(リード)に関するデータを収集し、営業活動につなげる準備を行うことです。
企業間取引(BtoB)では、一度の商談で大規模な契約が結ばれることが多く、効率的なリード獲得が売上に直結します。
BtoBマーケティングでは、見込み顧客の情報を得るために展示会、ウェビナー、Web広告を活用しホワイトペーパーやサービス資料のダウンロードなど、さまざまなチャネルが活用されます。これらの活動で収集したリードは、メールアドレス、会社名、役職、ニーズの内容などの情報に基づいて分類され、営業チームやインサイドセールスに引き渡されます。したがって、営業プロセスが効率化され、より確度の高い商談を成立させることが可能になります。
また、デジタルマーケティングの普及に伴い、オンラインでのリード獲得が加速しています。SEOやコンテンツマーケティング、リスティング広告、SNS広告などが主要な手段です。これらのチャネルを活用することで、ターゲットとなる企業や担当者が自社の存在を認知し、興味を持ってもらうことが求められます。
リード獲得の重要性って何?
営業活動においてリード獲得が重要な理由は、売上目標達成への入り口となるからです。
BtoB企業の販売サイクルは一般的に長期間に及びます。商品やサービスの価格帯が高く、複数の意思決定者が関わるため、案件化までに平均3〜6ヶ月かかるとされています。限られた営業リソースを効率的に活用するには、見込み顧客となる可能性が高い企業を見極め、優先順位をつけて接触することが大切です。
リード獲得の仕組みを整えることで、営業担当者は有望な見込み顧客への提案に集中してリソースを割くことが可能になります。マーケティングチームが収集した情報を基に、商談可能性の高い企業へアプローチすることで、成約率の向上につながります。
また、デジタル化が進む現代では営業担当者と会う前に、購買担当者の67%が製品やサービスの情報収集をインターネット経由で行っているというデータもあります。[1] したがって、オンライン上でのリード獲得の重要性は、今後さらに高まっていくと予測されています。
新規リードと既存リードの違い
BtoBマーケティングでは、新規リードと既存リードを区別して管理することが重要です。これらは、それぞれ異なるアプローチと戦略を必要とするため、正しい理解と使い分けが求められます。
項目 | 新規リード | 既存リード |
定義 | 初めて自社と接触する見込み顧客 | 過去に接触があった見込み顧客、または過去商談のあった顧客 |
特徴 | – 自社や製品に対する理解が浅い- 教育が必要 | – 自社への理解や関心がある- 信頼関係が構築されている場合が多い |
主な流入経路 | 広告、SEO、ウェビナー、展示会での新規接点 | 過去の問い合わせ、商談、メルマガ、既存顧客のリストからの再接触 |
アプローチ方法 | 教育コンテンツやリードナーチャリングで興味を喚起する | パーソナライズされた提案や再フォローで商談化を促す |
商談化の難易度 | 商談に至るまでに時間がかかることが多い | 商談化の確度が比較的高い |
活用の目的 | 新たな市場や顧客層の開拓 | 関係強化、アップセル・クロスセルを目指す |
効果的な施策 | ホワイトペーパー提供、メールマーケティング、広告キャンペーン | フォローアップの連絡、インサイドセールス、個別提案 |
管理のポイント | CRMでの進捗管理、リードスコアリングを活用 | 過去データを活用した適切なフォローと提案 |
営業戦略の観点からは、新規リードと既存リードのバランスを考慮することが重要です。
リードの数と質、どちらが大切?
BtoBマーケティングでは、リードの「数」と「質」をどちらも重視する必要があります。ただし、企業の目標や成長段階、ビジネスモデルに応じて、どちらに比重を置くかを決めることが重要です。
大量のリードを獲得することも、質の高いリードを集めることも、それぞれ異なるメリットと課題があります。
項目 | リードの「数」を重視する場合 | リードの「質」を重視する場合 |
目的 | 多数のリードを獲得し、商談の母数を増やす | 商談化・成約率の高いリードを獲得する |
アプローチ | 広告キャンペーンや展示会での大量獲得を狙う | SEOやホワイトペーパー提供で関心層を絞る |
メリット | 商談機会を多く得られる幅広いターゲット層にアプローチ可能 | 商談化の成功率が高い営業リソースを最適化できる |
課題 | 質の低いリードが混在し、営業の効率が低下する育成コストが増える | 獲得リードの数が少なくなり、成長が鈍化する獲得コストが高くなる |
費用対効果 | CPL(Cost Per Lead)を抑えやすい | 1リードあたりの獲得コストは高くなる |
必要な施策 | メールマーケティングや広告運用で多くのリードを集める | インサイドセールスやリードスコアリングを活用する |
大量のリードを獲得しても、購買意欲の低い見込み顧客ばかりでは商談や受注にはつながりません。そのため、適切なターゲティングと効率的なプロセス設計が不可欠です。リードが商談や契約へと発展する確率を高めることが可能になります。
バランスを保つKPIの考え方
見込み客の数を増やすだけでなく、質も含めて総合的に判断することが大切です。成果を測る物差しは3つあります。
まず、毎月どれだけの見込み客を集められたかという「獲得数」です。次に、1件の見込み客を集めるのにかかった費用を表す「獲得単価」です。そして、集めた見込み客の中から実際に商談できた割合を示す「商談率」です。
商品やサービスの料金によって、目指すべき数字は変わります。月額10万円のサービスと、1000万円の設備では、求める成果が異なります。高額な商品ほど、見込み客の数より質を重視します。
営業部門と話し合いながら、自社に合った目標を決めましょう。定期的に数字を確認し、改善を重ねることで、安定した成果につながります。
リード獲得にはどんな施策があるの?
リード獲得の方法は、インバウンドとアウトバウンドに分けられます。
インバウンドマーケティングは、見込み客を引き寄せる方法です。見込み客が抱える課題を解決する情報やノウハウを提供し、自然な問い合わせにつなげます。ブログやSNS、ウェビナーなどを活用して、見込み客が「知りたい」と思う情報を届けることで、信頼関係を築きながらリードを獲得できます。
一方、アウトバウンドマーケティングは、見込み客に直接アプローチする方法です。電話やメール、展示会など、営業担当者が積極的に働きかけることで、商談の機会を作ります。見込み客の課題やニーズを直接聞き出せるため、すぐに商談につながりやすい特徴があります。
どちらの方法も、それぞれ特徴が異なるため、商材や対象となる顧客層に合わせて選ぶことが大切です。
インバウンド | アウトバウンド | |
定義 | 見込み客の自然な流入を促す情報提供を通じた信頼構築 | 積極的なアプローチで見込み客を開拓直接的な商談機会の創出 |
施策 | コンテンツマーケティングホワイトペーパーウェビナーオウンドメディア運営 | 展示会出展ダイレクトメール飛び込み営業 |
リードの質 | 興味関心が明確情報収集段階が多い自発的な問い合わせ | ニーズ確度にばらつき即時の商談可能性あり競合と検討段階 |
獲得コスト | 初期投資は大きい長期的には低コストスケールしやすい | 人件費が中心案件ごとのコスト計算スケールに限界あり |
商談までの時間 | 比較的長期の育成が必要段階的な信頼構築見込み客のペース | 即時の商談設定が可能短期での成果自社ペースで進行 |
自社の状況や目標に合わせて、それぞれのアプローチをバランスよく活用することで、効率的なリード獲得が実現できます。
インバウンド・アウトバウンドの組み合わせ方
インバウンドとアウトバウンドの施策を組み合わせることで、効果的なリード獲得が実現します。
インバウンドで関心を引き、アウトバウンドでフォロー
SEOやコンテンツマーケティングで興味を持った見込み客に、営業メールや電話でフォローし、成約につなげます。
展示会でリードを獲得し、インバウンドでナーチャリング
展示会やウェビナーで集めたリードに、メールやブログで情報を提供し、信頼関係を築きます。
MAツールで効率的に管理
MAツールを使用し、リード行動に合わせて自動でメールを送信、営業へ引き継ぐなど、効率化を図ります。
インバウンドとアウトバウンドの特性を活かすことで、短期と長期のバランスが取れ、安定したリード獲得が期待できます。
費用対効果をCPL・CPAで比較
リード獲得の成果を数字で見るには、CPL(リード獲得単価)とCPA(顧客獲得単価)の2つの指標が役立ちます。BtoBマーケティングにおいては、CPLとCPAを比較することで、リードから成約に至るプロセスの効率化が図れます。
CPL(リード獲得単価) | CPA(顧客獲得単価) | |
定義 | 1リードの獲得にかかるコスト | 1成約(顧客獲得)にかかるコスト |
目的 | 効率的なリード獲得を目指す | 成約までのコスト削減 |
計算方法 | マーケティング費用÷獲得リード数 | マーケティング費用÷成約件数 |
主な手法 | 広告費コンテンツ制作費展示会費用 | 営業人件費商談時の交通費提案資料作成費 |
改善方法 | 広告、SEOの最適化 | ナーチャリング、営業の効率化 |
費用対効果を高めるためには、リードの質と獲得コストのバランスを見ながら、効果的な施策を進めることが重要です。
営業部門とマーケティング部門は連携した方がいい?
営業部署とマーケティング部署の連携は、BtoBリード獲得の成功において非常に重要です。マーケティング担当がリードを獲得しても、営業担当の目標やアプローチと合わなければ、成約にはつながりにくくなります。連携することで、リードの質が向上し、営業活動の効率も大幅に上がります。
両部門が連携できていない場合、リード獲得から成約までのプロセスで様々な課題が生じます。マーケティング部門が集めたリードが営業の求める顧客層と合わず、貴重な時間とリソースが無駄になってしまいます。また、営業部門が現場で必要としている商材情報がマーケティング施策に反映されないため、効果的な営業活動を展開できません。
マーケティング部門は見込み客の関心事項や行動データを把握できます。たとえば、どんな資料に興味を持ったのか、どの程度の予算を検討しているのかといった情報です。この情報を営業部門と共有することで、商談の質が高まります。
営業部門は顧客との直接対話から、具体的な課題やニーズを知ることができます。商談で把握した情報をマーケティング部門にフィードバックすることで、より効果的な資料やコンテンツの作成が可能です。
連携を強化するには、共通の評価指標を設定することが大切です。リードの質や量、商談化率、成約率など、両部門で同じゴールを目指すことで、一貫した顧客対応が実現できます。
具体的な連携方法
営業部門とマーケティング部門の効果的な連携を実現するには、シンプルで明確なルール作りと、それを実行するための具体的な施策が重要です。
両部門の役割を明確にすることから始めましょう。マーケティングはリード獲得と育成を担当し、営業は商談と成約に注力します。この役割分担をベースに、共通のKPIを設定します。たとえば、リード獲得数、商談化率、成約率などの指標を共有し、定期的に進捗を確認します。
コミュニケーションを促進するため、MAやSFAなどのツールを活用します。これにより、リードの状況や顧客とのやり取りを両部門でリアルタイムに共有できます。さらに、マーケティング担当者が商談に同席するなど、セールスプロセスへの参加機会を増やすことで、現場の理解を深めることができます。
定期的なミーティングでは、数値目標の達成状況だけでなく、顧客の声や市場トレンドといった定性的な情報も共有します。長期的な視点で成果を評価し、必要に応じて改善策を検討していきます。このように、継続的なコミュニケーションと情報共有が、効果的な連携の基盤となります。
よくある質問
リード獲得について、よくある質問とその回答をまとめました。実践的な課題解決のヒントとしてご活用ください。
BtoBにおけるリード獲得とは?
BtoBのリード獲得は、企業の商品やサービスに興味を持つ見込み客の情報を集める活動です。企業間取引では、購入の検討から成約まで時間がかかるため、見込み客との関係づくりが重要になります。
リード獲得の良し悪しは、その後の営業活動の成果に大きく影響します。質の高いリードを集めることで、商談時間の短縮や成約率の向上につながります。一方で、見込み客の質にこだわりすぎると数が集まらず、営業部門の活動に支障が出る可能性もあります。
そのため、見込み客の「量」と「質」のバランスを考えながら、リード獲得を進めることが大切です。業界の特性や商材の内容、営業部門の体制などを考慮して、最適なリード獲得の方法を選びましょう。
BtoBのリード獲得単価の平均はいくらですか?
BtoBのリード獲得単価(CPL)は、業界や施策の内容によって大きく異なりますが、一般的には1リードあたり5,000円から15,000円程度が平均とされています。2024年現在、デジタルマーケティングに取り組む企業も増えているため、30,000円〜50,000円となっている業種も少なくありません。
SEOやコンテンツマーケティングといったインバウンド施策と、リスティング広告や展示会出展といったアウトバウンド施策のバランスによっても変動します。特に、広告費用が高い施策や競争の激しい業界では、1リードあたりの単価が20,000円以上になることも珍しくありません。
効率的なリード獲得のためには、獲得単価を定期的に見直し、施策のコストパフォーマンスを改善することが重要です。MA(マーケティングオートメーション)ツールなどを活用し、リードの質を高めながらCPLを最適化することが、BtoBマーケティングの成功につながります。
すぐにできるリード獲得は?
BtoBのリード獲得で、すぐに始められる効果的な方法があります。初期投資を抑えながら、短期間で成果を出すことができます。
まず、既存顧客からの紹介制度を整えましょう。顧客との良好な関係を活かし、同業他社や取引先を紹介してもらいます。信頼関係がある顧客からの紹介は、成約率が高くなる傾向があります。
次に、リスティング広告の出稿です。商品やサービスに関連するキーワードで広告を表示し、資料請求やお問い合わせを集めます。予算と獲得目標を設定し、すぐに運用を始められます。
また、無料サービスの提供も効果的です。製品の機能限定版や、お試し期間を設けることで、見込み客の興味を引き出せます。特に、SaaSやITツールでは、この方法が成果につながりやすいです。
まとめ
BtoBマーケティングにおけるリード獲得は、短期施策と長期施策を組み合わせ、効率的に見込み客を集めることが重要です。インバウンド施策ではSEOやコンテンツを通じて関心を引き、アウトバウンド施策ではリスティング広告や展示会出展などで即効的なリード獲得を図ります。また、CPLやCPAを通じてコストパフォーマンスを意識し、リードの質を高めながら商談につなげる工夫が求められます。
さらに、営業とマーケティングの連携や、MAツールを活用したナーチャリングを行うことで、商談率を高め、ROIを最大化することが可能です。これらのポイントを抑えることで、BtoBにおけるリード獲得の成果を向上させ、継続的な成長へとつなげることができます。